オススメポイント3選

 ※本書の購入を検討している方向けの記事です。

本書のオススメポイントは?

 今回は、本書のオススメポイントを3つご紹介したいと思います。著者ですのでバイアスはありますが、友人の弁護士に薦めるシーンをイメージしながら、これは自信をもって言えるという内容に厳選して紹介したいと思います。

 結論としては、本書のオススメポイントは、①入門から応用まで使える、②依頼者との雑談ネタになることが書いてある、③巻末資料が充実しているの3点です。以下、具体的にご説明します。

ポイント①入門から応用まで――改正法のガイドブックを目指して

膨大な立法資料をベースに要点に絞って解説

 本書は、タイトルのとおり、改正法の要点を解説する書籍となっています。

 私は日弁連の活動を通じて立法経過を丁寧にフォローしてきましたので、技術的な点を含め、より詳細な内容を書くことも可能でしたが、①立法資料である法制審議会の部会資料(全1200頁超)と議事録(全1400頁超)だけでも膨大な情報量になるため、詳細に書きすぎると情報過多になること、②改正法の中には今後制定される政省令に依拠するものがあることの2点を踏まえて要点に絞った解説という形にしました。

 他方で、(i)応用的な論点を記載した注釈を充実させつつ、(ii)本文を含めて引用元の立法資料を細かく明示し、(iii)実務への影響を分野別に解説しているため、実務上の論点を深堀りして検討する際も使いやすい内容になっています。

 積読することで脳細胞が活性化するという効果までは保証できないものの(下記ツイート参照)、手元に一冊置いておけば、改正法対応はとりあえず安心!と思えるガイドブックを目指して執筆しています。 

ポイント②依頼者との雑談ネタに――充実したコラム

 本書では、40近くのコラムを設け、一歩先の論点やマイナーだけど興味深い論点を解説しています。例えば、弁護士でもあまり知らない事故簿の問題や平成30年相続法改正との摩擦点などは、依頼者や相談者に改正法の説明をした際に、「ちなみに、ほかにも●●という問題がありまして・・・」という形で、雑談ネタにできるような内容になっています。

 本書のコラムについては、編集担当の前田さんから「先生のコラムはネタの宝庫ですね。コラムから新しい出版企画が作れそうです。」というコメントもいただきました。

 自分で言うのもおこがましいですが、実務で問題に取り組み、改正法の議論経過を丁寧に追ってきたからこそ書ける内容になっていますので、興味があるものだけでも、読んでいただけますと幸いです。

 ちなみに、私の一番のお気に入りのコラムは、『我妻民法はタイムトラベラー?』(本書125頁)です(このコラムについては下記ツイートも参照)。 

ポイント③使いやすい巻末資料――著者と編集担当者の汗の結晶

 本書では、巻末資料として、①改正項目別に実務への影響を整理した早見表と②新旧対照条文が掲載されています。いずれも単に公表資料を載せたというものではなく、使える資料になっています。

 少し裏話をすると、実は、この巻末資料については、著者である私と編集担当者の前田さんで様々な苦労を重ねてきました。

 順番が前後しますが、まず、②新旧対照条文について、今回、民法・不動産登記法という超重要法令の改正で、改正前後の条文を見たいというニーズは高いであろうということで、前田さんから新旧対照「表」を掲載したいとのご要望をいただきました。ただ、その後、法務省から公表された新旧対照表を見たところ、全部で100頁ほどあり、このまま掲載してしまうとページ数が大幅に増え、書籍の価格も上がってしまうという問題が出てきました。そこで、私と前田さんで、どうやって掲載する条文をコンパクトできるかという方向で喧々諤々と議論をしました。結論として、今回の改正は新規に追加される条文(枝番の条文)が多いという点を踏まえ、改正後の条文を中心に掲載しつつ、旧法の条文を必要に応じて四角囲みで掲載し、変更部分に下線を引くという対応を取りました(すみません。文章だとわかりにくいのでぜひ実物を見てください。)。出来上がったものを見ると、とてもすっきりして(20頁前後)、かつ、改正前後の条文を比較しやすくなりました。前田さんの尽力によるところが大きいのですが、私としても満足がいく資料が出来たと感じています。

2021年改正民法の新旧対照条文

 また、①改正項目別に実務への影響を整理した早見表について、少し回りくどいのですが、経緯をお話します。まず、本書の執筆企画段階で、実務への影響をどのように書くかを前田さんとかなり議論をしました。当初、前田さんから分野別に解説する形をご提案いただきました。ただ、執筆者としては、改正項目ごとに実務への影響を触れる方が楽です。その上、今回、単著でかつ執筆スケジュールもタイトということもあり、私の方で前田さんのご提案をかなり渋っていました。しかし、いざ書き始めて気づいたのですが、改正項目ごとに実務への影響を書くと、読者がすべての項目に目を通さないと実務への影響が把握できないということに気づきました。共著であれば、こういった形もやむを得ないと思いますが、今回は単著ですので、私一人が頑張りさえすれば、なんとかなるだろうと思い、初稿の提出期限ギリギリで、急遽、構成を変え、分野別に解説することにしました。ただ、私としては、かなりしんどい作業で、初稿完成までは土日や年末年始などの可処分時間をすべて投下したのですが、初稿の期限を2週間以上オーバーすることになってしまいました。その後、前田さんが様々な調整を行ってくださり、スケジュールの遅れを取り戻してくれたので、なんとか当初の予定どおりに出版することができました。以上の経緯で、分野別に実務への影響を解説する形になりましたが、他方で改正項目別に実務への影響を知りたいというニーズもあるだろうということで、巻末資料として、改正項目別に実務への影響を整理した早見表を追加することになりました(ややこしい話で、すみません。)。

改正項目別に実務への影響範囲・影響度を整理した早見表を掲載

最後に

 今回は、本書のオススメポイントとして、①入門から応用まで使える、②依頼者との雑談ネタになることが書いてある、③巻末資料が充実しているという3点を紹介させていただきました。最後まで読んでいただきありがとうございました。